
本書はその羽生名人が19歳で初タイトル竜王を獲得した際に発売された「竜王、羽生善治。」をもとに、将棋世界、将棋年鑑の解説も加えてデビューから竜王獲得までの全棋譜264局を解説付きで収録したものです。
デビュー直後の15連勝。
大山、中原、谷川らトップ棋士との初対局。
森内、佐藤、村山ら同世代の争い。
タイトル初挑戦、そして竜王獲得。
史上3人目の中学生棋士としてデビューした天才少年が棋界最高位を獲得するまで――。
才気に満ち溢れた一手を、また、必敗の将棋をがむしゃらに粘り倒す闘志をぜひご鑑賞ください。
羽生善治の原点がここにある。
(以下、まえがき)
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昔の自分の棋譜を見ると懐かしいような恥ずかしいような気持ちになります。
特にデビュー前後は粗削りですし、投げ場を失っている例も数多くあります。
それでも記録であり、足跡でもあるので必要なプロセスかもしれません。
序盤的には現代と似ている棋譜もありますし、そこから少しずつ改良されている面もあります。時代の息吹を感じながら楽しんでいただければ幸いです。
羽生善治